副業の社会保険料はどうなる？按分ルールと手続き方法を社労士が解説

副業を始めた会社員がまず気になるのは、社会保険料の扱いです。特に本業と副業の収入が合算されるのか、保険料はどちらにかかるのかといった点は、仕組みが複雑なため不安を感じる人も多いでしょう。

この記事では、「副業の社会保険料はどう按分されるのか？」という疑問を中心に、社労士に相談するメリットや注意点まで、わかりやすく解説します。

✅副業をすると社会保険料はどうなる？

基本的に、社会保険（健康保険・厚生年金保険）は「主たる事業所（本業）」を基準に算定されます。副業先での収入があっても、原則として本業の給与に基づいて保険料が決定されます。

ただし、以下の条件をすべて満たすと、副業先でも社会保険の加入義務が生じ、「社会保険の二以上事業所勤務者」として、報酬額に応じて按分（あんぶん）されることになります。

✅二以上事業所勤務とは？加入要件のポイント

副業先でも社会保険の対象となるには、以下の要件がポイントです。

• 両方の事業所で、厚生年金適用事業所に勤務していること

• それぞれの勤務先で「週20時間以上勤務」「月額賃金88,000円以上」など、社会保険加入基準を満たしていること

• 労働契約が継続して見込まれていること

このようなケースでは、年金事務所に「複数事業所勤務届」を提出し、各事業所の給与額に応じて社会保険料が按分されます。

✅按分の仕組みと計算方法

社会保険料の按分とは、両方の事業所から支払われる給与に応じて、保険料を「公平に分け合う」ことを意味します。例えば、本業の給与が月30万円、副業が月10万円であれば、本業：副業の比率は3:1。この比率で保険料の負担も分けられるのです。

具体的な按分方法や届出の手続きについては、年金事務所の判断が必要となるため、個人だけで正確に対応するのは難しいのが実情です。

✅副業収入だけでも注意が必要

仮に副業がアルバイトや業務委託など「非正規の雇用形態」だったとしても、年間の収入が大きくなると、住民税や国民健康保険の負担増に直結します。また、確定申告を通じて副業の収入が明らかになれば、会社に副業がバレるリスクもあるため、事前の対策が求められます。

✅社労士におまかせするメリット

副業に伴う社会保険の判断や手続きは非常に専門性が高く、誤った対応をすると追徴課税や会社への迷惑にもつながりかねません。こうしたリスクを避けるためには、社会保険の専門家である「社会保険労務士（社労士）」への相談が非常に有効です。

社労士に相談することで得られるメリットは以下の通りです。

• 自分の働き方に応じた社会保険の最適な取り扱いを教えてもらえる

• 按分の対象となるかどうかの判断を的確に受けられる

• 必要書類の作成や提出代行も依頼できる

• 会社側とトラブルにならないよう配慮した対応ができる

また、近年は副業に理解のある社労士事務所も増えており、オンラインで気軽に相談できるサービスも充実しています。

✅まとめ：副業と社会保険の按分はプロに任せて安心

副業をしている、あるいはこれから始めようと考えている会社員にとって、社会保険の取り扱いは見落としがちなポイントです。報酬の按分や保険料の計算、届け出の義務などは複雑で、間違った処理をすれば後々トラブルのもとになりかねません。

そんなときは、迷わず社労士に相談しましょう。正しい知識と手続きで、副業ライフを安心・安全にスタートさせることができます。