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【2025年義務化】労働者死傷病報告の電子申請完全ガイド

  • 執筆者の写真: あいパートナーズ
    あいパートナーズ
  • 8月20日
  • 読了時間: 11分

更新日:9月18日

この記事は、2025年1月1日から義務化される「労働者死傷病報告」の電子申請について、企業の人事・労務担当者や経営者、総務部門の方々に向けて解説するものです。法改正の背景や対象事業者、報告が必要なケース、電子申請の具体的な手順や注意点まで、最新情報をもとにわかりやすくまとめています。


これから準備を進める方が、実務で迷わないように、ポイントやよくある疑問も丁寧に解説します。2025年の義務化に向けて、今から何をすべきか知りたい方は必見です。


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✅2025年義務化!労働者死傷病報告とは何か?


労働者死傷病報告とは、労働者が業務中に死亡したり、けがや病気で休業した場合に、事業者が所轄の労働基準監督署へ提出する法定報告書です。2025年1月1日(令和7年)からは、報告内容の改正とともに、原則として電子申請が義務化されます。


これにより、紙での提出からオンラインでの申請へと大きく変わるため、事業者は新しい様式や申請方法に対応する必要があります。労働災害の発生時に迅速かつ正確な報告を行うことは、企業の社会的責任としても重要です。


改正の背景と令和7年施行のポイント


今回の改正は、労働災害の実態把握や迅速な行政対応を目的に、報告内容の見直しと電子申請の義務化が行われました。特に、休業4日未満の災害についても報告内容が大きく変更され、より詳細な情報が求められるようになります。


また、電子申請の導入により、事業者の事務負担軽減やデータの一元管理が期待されています。令和7年1月1日からは、紙での提出が原則不可となるため、早めの準備が必要です。


  • 報告内容の詳細化

  • 電子申請の義務化

  • 休業4日未満の扱い変更

  • 事務負担の軽減


誰が・どんな事業が対象?報告義務のある事業者の条件


労働者死傷病報告の提出義務は、労働基準法の適用を受けるすべての事業者に課せられています。製造業、建設業、サービス業など業種を問わず、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態も関係ありません。


また、派遣労働者の場合は、派遣先事業者が報告義務を負うケースが多いです。小規模事業所や個人事業主も例外ではなく、労働者を雇用していれば対象となります。


報告義務を怠ると、行政指導や罰則の対象となるため注意が必要です。


  • 全業種・全規模の事業者が対象

  • 雇用形態を問わず報告義務あり

  • 派遣労働者は派遣先が原則報告

  • 違反時は罰則の可能性

対象事業者

報告義務の有無

正社員を雇用する企業

あり

パート・アルバイトのみの店舗

あり

個人事業主(従業員あり)

あり

派遣元企業

原則なし(派遣先が報告)

✅労働者死傷病報告が義務化される主な内容


2025年から義務化される労働者死傷病報告では、報告が必要なケースや内容が明確化され、電子申請による提出が必須となります。特に、休業日数による報告様式の違いや、休業なしの場合の取り扱いなど、実務上のポイントが多く存在します。


また、報告内容の正確性や迅速な対応が求められるため、事業者は新しいルールをしっかり把握しておく必要があります。ここでは、主な義務化内容と実務上の注意点を詳しく解説します。


報告が必要なケースと災害発生時の対応


労働者死傷病報告が必要となるのは、労働者が業務中に死亡した場合や、けが・病気で休業した場合です。また、休業に至らない軽微な災害でも、一定の条件下では報告が求められます。


災害発生時は、まず被災者の救護と安全確保を最優先し、その後速やかに事実確認と報告書の作成を行うことが重要です。報告の遅延や不備は、行政指導や罰則の対象となるため、迅速かつ正確な対応が求められます。


  • 死亡災害は即時報告が必要

  • 休業災害は日数に応じて報告

  • 軽微な災害も条件により報告対象

  • 救護・安全確保後に速やかに報告


1日・4日未満・4日以上の休業で何が違う?


労働者死傷病報告では、休業日数によって報告の内容や提出期限が異なります。1日以上4日未満の休業の場合は、四半期ごとにまとめて報告することが求められますが、4日以上の休業や死亡災害の場合は、発生後遅滞なく速やかに報告しなければなりません。


この区分を正しく理解し、適切なタイミングで報告することが、法令遵守と労務管理の信頼性向上につながります。また、報告様式や記載事項も休業日数によって異なるため、実務担当者は注意が必要です。

休業日数

報告様式

提出期限

1日以上4日未満

様式第24号

四半期ごと翌月末

4日以上

様式第23号

遅滞なく

死亡

様式第23号

遅滞なく

「休業なし」の場合の扱いと留意点


労働災害が発生しても、休業が発生しなかった場合(いわゆる「休業なし」)でも、一定の条件下では報告が必要です。たとえば、通院や治療を受けたが休業しなかったケースや、軽微なけがでも労働基準監督署から指示があった場合などが該当します。


この場合も、事実関係を正確に記録し、必要に応じて報告書を作成することが求められます。「休業なし」だからといって油断せず、報告義務の有無を必ず確認しましょう。


  • 通院のみでも報告が必要な場合あり

  • 監督署からの指示があれば必ず報告

  • 記録の保存も重要


✅労働者死傷病報告の様式と必要な報告事項


2025年の改正により、労働者死傷病報告の様式や記載事項も見直されました。主に使用されるのは「様式第23号」や「様式第24号」で、休業日数や災害の内容によって使い分けます。


報告書には、災害の発生状況や原因、被災者の情報、略図など、詳細な情報を正確に記載する必要があります。記載漏れや誤記があると、再提出や行政指導の対象となるため、注意深く作成しましょう。


様式第23号とは?記入すべき情報一覧


様式第23号は、労働者が死亡または4日以上の休業を要する災害が発生した場合に使用する報告書です。この様式には、事業場の基本情報、被災者の氏名・年齢・職種、災害発生日時・場所、災害の種類や原因、発生状況の詳細、略図などを記載します。


また、再発防止策や災害の経緯も求められるため、事実関係を正確に把握し、漏れなく記入することが重要です。


  • 事業場名・所在地

  • 被災者の氏名・年齢・職種

  • 災害発生日時・場所

  • 災害の種類・原因

  • 発生状況の詳細

  • 略図

  • 再発防止策


主な報告事項:種類・原因・状況・略図のポイント


報告書には、災害の種類(例:転倒、墜落、機械による挟まれなど)や、発生原因、具体的な状況を詳細に記載する必要があります。略図は、災害現場の状況を視覚的に示すもので、事故の再発防止や原因究明に役立ちます。


略図作成時は、現場のレイアウトや被災者の動線、危険箇所を明確に描くことがポイントです。また、原因分析や再発防止策も具体的に記載しましょう。


  • 災害の種類は具体的に記載

  • 発生原因・状況を詳細に

  • 略図は現場の特徴を明確に

  • 再発防止策も必須


記入例でわかる!よくある質問と記載ミス防止


労働者死傷病報告の記入時によくあるミスには、日付や氏名の誤記、略図の不備、原因や状況の記載漏れなどがあります。記入例を参考にしながら、各項目を丁寧に確認しましょう。


また、疑問点があれば、厚生労働省のガイドラインや労働基準監督署に相談することも大切です。電子申請の場合は、入力支援ツールを活用することで、記載ミスを防ぐことができます。


  • 日付・氏名の誤記に注意

  • 略図は必ず添付

  • 原因・状況の記載漏れ防止

  • 入力支援ツールの活用


✅電子申請のポイントと導入準備ガイド


2025年からは、労働者死傷病報告の電子申請が原則義務化されます。電子申請には、申請の効率化やペーパーレス化など多くのメリットがある一方で、システム導入やデータ管理の課題もあります。


ここでは、電子申請のメリット・デメリットや、導入準備のポイント、厚生労働省のシステム利用方法について詳しく解説します。


電子申請のメリット・デメリット比較


電子申請の最大のメリットは、申請手続きの効率化とペーパーレス化です。また、入力支援ツールの活用により、記載ミスや提出漏れを防ぐことができます。


一方で、システム導入や操作習得、データ管理の手間が増える点はデメリットです。自社の体制や業務フローに合わせて、メリット・デメリットを比較検討しましょう。

メリット

デメリット

申請の効率化

システム導入コスト

ペーパーレス化

操作習得が必要

記載ミス防止

データ管理の手間

必要書類のデータ化・入力支援ツールの活用法


電子申請をスムーズに行うためには、必要書類を事前にデータ化し、入力支援ツールを活用することが重要です。厚生労働省が提供する入力支援サービスを利用すれば、様式の自動作成やチェック機能により、記載ミスや漏れを防ぐことができます。


また、社内でのデータ管理体制を整え、必要な情報を迅速に収集できる仕組みを作ることも大切です。


  • 書類のPDF化・データ保存

  • 入力支援ツールの利用

  • 社内の情報収集体制の整備


申請手順と厚生労働省のシステム利用方法


電子申請は、厚生労働省の「e-Gov」や「労働基準関係法令等電子申請システム」から行います。まず、事業者情報の登録や電子証明書の取得が必要です。


その後、必要事項を入力し、添付書類をアップロードして申請します。申請後は、受付番号や進捗状況をオンラインで確認できるため、管理も容易です。操作に不安がある場合は、厚生労働省のマニュアルやサポート窓口を活用しましょう。


  • e-Govや専用システムから申請

  • 電子証明書の取得が必要

  • 進捗状況のオンライン確認

  • サポート窓口の活用


✅よくある疑問Q&A:誰が出す?どこに提出?


労働者死傷病報告の電子申請義務化に伴い、誰が申請を行うのか、どこに提出すればよいのかなど、現場でよくある疑問が増えています。


ここでは、申請者の範囲や提出先、提出期限、遅延時のリスクなど、実務で迷いやすいポイントをQ&A形式で解説します。正しい知識を持つことで、トラブルや行政指導を未然に防ぐことができます。


申請者(事業者・担当者)は誰?労働基準監督署との関係


労働者死傷病報告の申請者は、原則として事業場の事業主(法人の場合は代表者)です。実務上は、人事・労務担当者や総務部門の責任者が代理で申請するケースが多いですが、最終的な責任は事業主にあります。


申請内容に不備があった場合や追加説明が必要な場合は、所轄の労働基準監督署から連絡が入ることもあるため、担当者は連絡体制を整えておきましょう。


また、電子申請では、申請者の電子証明書が必要となるため、事前準備が重要です。


  • 申請者は事業主またはその代理人

  • 実務は人事・労務担当者が多い

  • 労働基準監督署との連絡体制を整備

  • 電子証明書の取得が必須


提出先や期日、遅延時のリスク


労働者死傷病報告の提出先は、災害が発生した事業場を管轄する労働基準監督署です。電子申請の場合も、システム上で自動的に管轄署へ送信されます。提出期限は、死亡や4日以上の休業災害は『遅滞なく』、1日以上4日未満の休業災害は四半期ごと翌月末までです。


提出が遅れたり、報告を怠った場合は、行政指導や罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となることがあります。期限管理を徹底し、遅延リスクを回避しましょう。


  • 提出先は管轄の労働基準監督署

  • 電子申請は自動で送信

  • 提出期限を厳守

  • 遅延・未提出は罰則の可能性


災害の種類

提出期限

提出先

遅延時のリスク

死亡・4日以上休業

遅滞なく

管轄労基署

行政指導・罰則

1日以上4日未満休業

四半期ごと翌月末

管轄労基署

行政指導・罰則

✅2025年1月1日に向けた実務準備とまとめ


2025年1月1日の電子申請義務化に向けて、企業は体制整備やシステム導入、社内教育など多くの準備が必要です。新しい様式や申請手順に慣れるためにも、早めの対応が重要となります。


ここでは、実務準備のポイントや社内周知、今後の展望についてまとめます。


施行日までに整えるべき体制とシステム


電子申請義務化に対応するためには、まず社内の申請フローを見直し、必要なシステムやツールを導入することが不可欠です。電子証明書の取得や、入力支援ツールの導入、データ管理体制の構築も重要なポイントです。


また、担当者の役割分担や、災害発生時の連絡体制も明確にしておきましょう。これらの準備を早めに進めることで、施行日以降もスムーズな運用が可能となります。


  • 電子証明書の取得

  • 入力支援ツールの導入

  • データ管理体制の構築

  • 担当者の役割分担


社内周知・教育のポイントと翻訳対応


新しい制度や申請方法を社内に周知し、担当者だけでなく現場の従業員にも基本的な知識を共有することが大切です。特に多国籍な職場では、外国人労働者向けの翻訳資料や多言語対応も検討しましょう。


定期的な研修やマニュアルの配布、Q&A集の作成など、教育体制を整えることで、ミスやトラブルを未然に防ぐことができます。


  • 社内研修の実施

  • マニュアル・Q&A集の作成

  • 多言語対応の検討

  • 現場への周知徹底


✅まとめ:早期対応の重要性と今後の展望


2025年1月1日からの労働者死傷病報告の電子申請義務化は、企業にとって大きな変革です。早期に準備を進めることで、法令遵守はもちろん、業務効率化やリスク管理の強化にもつながります。


今後は、さらなるデジタル化や労働安全衛生管理の高度化が進むことが予想されるため、最新情報を常にキャッチアップし、柔軟に対応していくことが求められます。早めの対応で、安心・安全な職場づくりを実現しましょう。

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