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給与の日割り計算をどう扱う?経営者が知っておくべき基本と実務のポイント

  • 執筆者の写真: あいパートナーズ
    あいパートナーズ
  • 9月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:9月18日

月の途中で社員が入社・退社したり、欠勤があった場合、給与の支払いを「日割り」で対応する場面は多くあります。経営者としてこの日割り計算を正しく理解し、制度として明確にしておくことは、コスト管理だけでなく、社員との信頼関係の構築にも直結します。


一方で、給与の計算には就業規則や労働基準法などが関わっており、計算方法を誤るとトラブルのもとになりかねません。この記事では、日割り計算の基本から制度設計、社労士の活用まで、経営者の立場で押さえておくべき要点を丁寧に解説します。


給与計算 日割り

✅日割り計算とは?その基本的な考え方


日割り計算とは、給与や費用を実際に働いた日数や在籍していた日数に応じて按分して支払う方法です。


たとえば、月給制の社員が8月10日に入社した場合、8月の給与を満額ではなく、10日から月末までの22日分だけ支給する、といった処理が日割り計算です。


この処理は一見単純に見えますが、実は「何日で割るか」「端数はどう処理するか」など、企業ごとのルールが問われる重要な領域でもあります。


✅暦日数と所定労働日数の違いを理解する


日割り計算でまず最初に決めるべきなのが、「基準となる日数」です。


1つ目は「暦日数」基準。これは、カレンダー通りの月の日数、例えば1月は31日、2月は28日(うるう年は29日)とする方法です。シンプルで分かりやすく、多くの企業で採用されています。


2つ目は「所定労働日数」基準。これはその月の出勤日数、つまり実際に会社が定めた労働日数(例:月20日)を基準にする方法です。シフト制を採用している職場などでは、こちらの方が実情に合う場合もあります。


どちらの方式を採用するかは、就業規則で明確に定めておく必要があります。あいまいにしていると、入退社のたびに異なる対応になりかねません。


✅給与の日割り計算、具体的なケースと注意点


では、実際にどうやって計算するのか。いくつかのケースで見てみましょう。


【入社が月途中の場合】


月給240,000円の社員が、8月10日に入社したとします。8月は31日あるので、1日あたりの給与は「240,000 ÷ 31日=約7,741円」となり、勤務日数22日分を支給する計算になります。


【退社が月途中の場合】


月給200,000円の社員が、8月15日で退職した場合。同じく31日で計算するなら「200,000 ÷ 31日=約6,451円」、15日分を支払うことになります。


【欠勤があった場合】


欠勤があった場合も、欠勤日数分を差し引いて計算する必要があります。有給休暇の扱いや、欠勤日が何日に該当するのかも含めて、正確な勤怠管理と連動した計算が求められます。


✅端数処理のルールをどうするか


日割り計算をしていると必ず出てくるのが「端数の処理」です。たとえば、7,741円×22日=170,302円というように、小数点以下が混ざった金額が出る場合も少なくありません。


この端数処理には以下のような方法があります。


  • 切り捨て:余分な1円未満は支払わない

  • 切り上げ:1円でもあれば繰り上げて支払う

  • 四捨五入:もっとも公平な方法として採用されることが多い


どの方式を採用するかも、社内であらかじめルール化し、就業規則や雇用契約書に明記しておくのが重要です。


✅制度としてのルール設計がトラブルを防ぐ


「計算方法がわからない」「前回と違う処理をされた」――これは実際によくある労務トラブルの原因です。経営者として重要なのは、計算方式や端数処理について一貫性を持ち、就業規則に基づいて公平に運用すること。


とくに注意したいのは「退職日をどうカウントするか」「有給休暇や欠勤をどう扱うか」など、グレーゾーンになりがちな部分です。ここがあいまいなままだと、トラブルが起きたときに会社側が不利になる可能性があります。


✅社労士の活用で安心・正確な給与計算を


給与の日割り計算は一見シンプルですが、実務では「どの規定をもとに、どう処理するか」が問われるため、プロの知見が必要になる場面も少なくありません。


ここで頼れる存在が社会保険労務士(社労士)です。社労士は就業規則の作成や給与体系の設計、労務管理全般のプロフェッショナル。日割り計算の制度づくりや、運用方法のアドバイスはもちろん、勤怠管理システムや給与ソフトとの連携など、実務面でも強力な支援をしてくれます。


「社員が増えてきた」「勤怠管理が複雑になってきた」と感じている経営者の方は、早めに社労士に相談することで、正確な給与支払いとリスクの少ない経営体制を整えることができます。



✅まとめ:日割り計算は“制度”として整えるべき経営課題


日割り計算は、単なる事務作業ではありません。社員との信頼を築き、会社の支払い基準を明確にする「経営上の制度設計」の一環です。


  • 暦日数と所定労働日数、どちらを採用するか

  • 端数処理はどうするか

  • 欠勤や退職日の扱いはどうするか


これらをきちんとルール化し、文書に落とし込むこと。そして運用面では専門家である社労士の力を借りることで、安心して事業に集中できる環境が整います。


今後、社員数の増加や雇用形態の多様化が進む中で、給与計算の制度設計は避けて通れない課題です。日割り計算をきっかけに、自社の給与制度全体を見直すチャンスととらえてみてはいかがでしょうか。

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