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年俸制の残業代は本当に払われない?労働者と企業が知るべき真実

  • 執筆者の写真: あいパートナーズ
    あいパートナーズ
  • 8月30日
  • 読了時間: 3分

更新日:9月1日

年俸制を導入している企業では「残業代は出ない」と思われがちですが、実はそうではありません。年俸制は給与の支払い方法の一つであり、労働時間に応じた残業代の支払い義務は労働基準法によって定められています。


本記事では、年俸制と残業代の正しい関係、法的な注意点、企業と労働者が押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。


年俸制

✅ 年俸制とは?月給制との違い


年俸制とは、1年間の報酬額をあらかじめ決めて支払う制度です。たとえば年収600万円の契約なら、それを12カ月で割って毎月50万円が支払われるのが一般的です。


一方、月給制は月単位で給与が決まる制度で、賞与や手当が別途支給されることが多いです。年俸制は管理職や専門職に多く採用され、成果主義の要素が強いとされています。


✅ 年俸制と残業代の関係性


年俸制だからといって、残業代が発生しないわけではありません。日本の労働基準法では、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働に対しては、割増賃金の支払いが義務付けられています。


つまり、年俸制であっても、実際の勤務時間が法定を超えれば残業代を支払う必要があります。


✅ 「年俸に残業代込み」は通用する?


企業によっては「年俸に残業代が含まれている」と契約書に明記している場合がありますが、これは法的に認められるケースと認められないケースがあります。例えば「年俸600万円のうち、100万円は月◯時間分の残業代相当額」と明確に内訳が記されている場合は有効とされることが多いです。


しかし、内訳が不明確な場合や、想定時間を超えて働いた場合の追加支払いがなければ、違法と判断されることもあります。


✅ 裁量労働制との違いに注意


年俸制と混同されがちな制度に「裁量労働制」があります。これはあらかじめ定めた時間を働いたものとみなす制度で、実労働時間に関係なく給与が支払われる仕組みです。


ただし、裁量労働制の適用には厳格な要件があり、職種や業務内容も限定されています。単に「年俸制だから裁量労働制」と誤認して適用することはできません。


✅ トラブルを防ぐための契約書の書き方


年俸制を導入する際には、契約書や就業規則で給与の内訳を明確に記載することが重要です。特に、みなし残業代や固定残業代が含まれる場合は、「月◯時間分の残業代◯万円」と具体的な記載が求められます。


また、これを超える残業が発生した場合には、別途支払いがあることも明示しておく必要があります。曖昧な契約はトラブルの原因になり、最終的には労働基準監督署の是正対象になる可能性もあります。


✅ 労働者が自分の権利を守るためにできること


労働者としては、雇用契約書や給与明細の確認が第一歩です。特に「みなし残業」や「固定残業」の記載がある場合、その時間や金額が妥当かをチェックしましょう。


また、明確な記載がないにもかかわらず長時間の残業をしている場合は、労働時間の記録(タイムカードや日報など)を自分でも保存しておくことが大切です。必要であれば、労働基準監督署や弁護士に相談することも検討しましょう。


✅ まとめ:年俸制でも残業代は原則として必要


年俸制は単なる給与形態の一つであり、労働時間や残業に関する法律を無視するものではありません。「年俸制=残業代不要」という認識は誤りであり、企業にも労働者にもリスクを生む可能性があります。


契約書の明確化や正しい制度理解を通じて、公正でトラブルのない労働環境を目指しましょう。

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