top of page

給与計算はエクセルとソフトどっちがいい?メリット・デメリット徹底比較

  • 執筆者の写真: あいパートナーズ
    あいパートナーズ
  • 8月18日
  • 読了時間: 7分

更新日:9月1日

給与計算は、どの企業にとっても欠かすことのできない重要な業務です。毎月の正確な給与計算は、従業員のモチベーションや信頼にも直結するため、ミスのない運用が求められます。


給与計算の方法として、最も基本的な手段が「エクセル」、そして次に登場するのが「給与計算ソフト」です。どちらも給与計算を行う手段ですが、会社の規模や人員体制、法改正対応力、コストなどによって適した選択は異なります。


エクセルもソフトも、それぞれにメリット・デメリットがあります。単に「便利そうだから」「費用が安いから」ではなく、実際の業務内容や会社の将来性も踏まえたうえで選択することが重要です。

この記事では、それぞれの方法の特徴と、どんな企業にどちらが向いているかを詳しく解説します


給与計算

✅エクセルで給与計算する方法


関数やテンプレートを使って自動計算


エクセルでは、「SUM」「IF」「VLOOKUP」「ROUND」などの関数を用いて、給与計算式を組み込んだテンプレートを作成できます。たとえば、基本給+時間外手当+各種手当-控除額=支給額という計算式を設定すれば、毎月の給与計算を自動化できます。


また、すでに市販されている無料テンプレートや厚生労働省・社労士が提供している雛形を使えば、ゼロから作らずに済むため初心者でも導入しやすいのが特長です。


✅勤怠データを入力して給与を算出


勤怠表を別シートで管理し、そのデータを給与シートにリンクさせることで、残業時間や遅刻・早退、休日出勤などの影響を自動反映させることも可能です。これにより、毎月の手入力を最小限に抑える設計ができます。


✅エクセル給与計算のメリット


コストがかからず導入しやすい


エクセルはMicrosoft Officeに含まれており、すでに導入済みの企業も多いため、新たに費用をかけることなくスタートできます。クラウドソフトや高額な導入費用がネックな小規模企業には特に魅力的な選択肢です。


自社独自の計算式やフォーマットを作れる


会社ごとに異なる支給・控除体系に合わせて、自由にカスタマイズできる点もエクセルの魅力です。例えば、歩合制や時短勤務者への対応、複雑な手当制度なども、独自に設定できます。


✅エクセル給与計算のデメリット


人的ミスが起きやすい


エクセルは手作業でデータを入力するため、転記ミスや数式の破損、コピペミスが発生しやすくなります。人的ミスが給与の遅れや金額ミスにつながると、従業員との信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があります。


法改正に対応するのが難しい


毎年のように変更される保険料率や所得税の計算方式、雇用保険の制度変更などに、エクセルでは自動対応できません。常に最新情報を自ら反映させる必要があり、担当者には相応の知識と注意力が求められます。


担当者依存が強くなる


テンプレートを作成した担当者しか計算式の仕組みを把握していない場合、退職や異動によって誰も使えなくなる恐れがあります。属人化を防ぐためには、操作マニュアルや引き継ぎ体制の整備が不可欠です。


✅給与計算ソフトの基本


社会保険料や税額を自動計算


給与計算ソフトは、労働時間や賃金情報をもとに、社会保険料や税金を自動で計算してくれます。あらかじめ設定された保険料率や税率に基づいて正確な控除額を算出するため、法令対応に不安がある企業でも安心です。


クラウド型とインストール型がある


ソフトには大きく分けて2種類あります。


  • クラウド型:インターネット環境があれば、どこでも利用できる。アップデートも自動。

  • インストール型:PCや自社サーバーに導入して使用。オフラインでの利用やカスタマイズに強み。


自社のセキュリティポリシーや業務形態に応じて選択が可能です。


✅給与計算ソフトのメリット


法改正に自動対応してくれる


社会保険料や税制改正が行われた場合でも、クラウド型ソフトであれば自動アップデートにより、最新の制度に沿った計算が可能になります。法改正を自社でチェックして反映する手間が大きく省けます。


入力ミスが減り正確性が高まる


入力時にアラートやエラーチェック機能が搭載されているため、エクセルよりもミスを防ぎやすくなっています。たとえば、「保険未加入の従業員に保険料が控除されている」などの不整合も検出してくれます。


勤怠管理やマイナンバー管理と連携できる


給与計算ソフトは、勤怠管理システムやマイナンバー管理、年末調整、Web明細配信などと連携可能な製品もあります。情報が一元化され、業務全体の効率化とセキュリティ向上につながります。


✅給与計算ソフトのデメリット


導入コストとランニング費用がかかる


市販ソフトの価格は数万円から、クラウド型であれば月額数千円~数万円が相場です。従業員数に応じた従量課金制のケースも多く、小規模企業にとってはコストがネックになることもあります。


操作に慣れるまで時間がかかる


多機能なソフトほど設定項目も多く、慣れるまでに時間がかかることがあります。特に初めて給与ソフトを導入する場合は、操作研修やサポート窓口の活用が欠かせません。


✅エクセルとソフトの比較


小規模企業はエクセルで十分な場合もある


従業員が数名の小規模企業では、エクセルでも十分対応可能です。勤怠管理も紙やシンプルなタイムカードで済んでいるなら、コスト面でもメリットがあります。ただし、属人化や法改正への対応には注意が必要です。


従業員数が多い企業はソフトの方が効率的


社員数が10名以上を超えるあたりから、手作業でのミスや工数が増加します。給与体系も複雑になりがちなため、給与計算ソフトの導入によって、作業負担・リスクの大幅な軽減が可能です。


✅給与計算ソフトの選び方


自社の規模や業種に合うか


製造業・飲食業・医療業界など業種によって給与体系が異なるため、業界対応実績が豊富なソフトを選ぶと導入がスムーズです。また、正社員・パート・アルバイトが混在する企業では、多様な雇用形態に対応できる製品が適しています。


サポート体制が充実しているか


電話サポート・チャットサポート・訪問対応など、サポート体制が整っているかどうかは大きな判断ポイントです。初心者でも使いやすい操作画面や、導入支援が充実しているソフトが安心です。


コストと機能のバランスを確認する


「高機能だけど高額」「安価だけど必要な機能が足りない」といったミスマッチがないよう、必要な機能を明確にして比較検討しましょう。年末調整や住民税対応の有無なども確認しておくとよいでしょう。


✅クラウド型ソフトの特徴


インターネット環境があればどこでも利用可能


クラウド型ソフトは、自宅や外出先からもアクセス可能で、テレワークにも適しています。拠点が複数ある企業でも一元管理がしやすく、システムメンテナンスやデータ保存もすべて提供元が対応してくれます。


アップデートが自動で便利


法改正や新機能の追加なども自動でアップデートされるため、常に最新状態で利用可能です。ユーザー側でインストールや更新作業を行う必要がない点も大きなメリットです。


✅インストール型ソフトの特徴


自社サーバーに導入して利用


自社内のネットワーク環境で運用できるため、情報を外部に出したくない企業には向いています。セキュリティポリシーが厳しい業種(医療、金融など)では、インストール型の方が採用されることもあります。


カスタマイズ性が高い


クラウド型に比べて柔軟なカスタマイズが可能で、独自の給与体系や帳票出力にも対応しやすい点が特徴です。特注のレポートを出力したい企業や、自社システムとの連携を重視する企業に適しています。


✅まとめ:エクセルとソフトの使い分けを考えよう


小規模はエクセル、中規模以上はソフトが有利


給与計算はエクセルでも十分に行えますが、従業員数が増えるにつれて工数とリスクが増加します。小規模事業者にはエクセルが向いていますが、中規模以上の企業では、給与計算ソフトの導入を検討することで、ミスを防ぎ、業務効率を大きく改善することが可能です。


将来の従業員数や法改正対応を見据えて選択する


今は少人数でも、将来的に従業員が増える可能性があるなら、早めにソフトの導入を視野に入れておくと良いでしょう。また、給与計算は法改正との戦いでもあるため、常に最新制度に準拠できる体制を整えておくことが、会社と従業員を守ることにつながります。


あいパートナーズ-2560x1400.jpg

お役立ち情報

メルマガ登録していただくと、多くのお役立ち情報がご確認いただけます。

社会保険労務士法人あいパートナーズ
社会保険労務士法人あいパートナーズ

本人確認のため、メールアドレスをご記入の上、送信ください。

送信後、お役立ち情報ページのパスワードをご連絡させていただきます。

送信ありがとうございました

​あいパートナーズのプライバシーポリシーに同意の上で送信してください。

1.png
社会保険労務士法人あいパートナーズ

社会保険労務士法人あいパートナーズ

〒790-0067  愛媛県松山市大手町1丁目8-20 シャトレー大手町101号室

社会保険労務士法人あいパートナーズ
社会保険労務士法人あいパートナーズ
社会保険労務士法人あいパートナーズ
社会保険労務士法人あいパートナーズ

Copyright© 社会保険労務士法人あいパートナーズ All rights reserved.

bottom of page