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業務命令違反で社員を解雇できるか?就業規則の整備と社労士への相談の重要性

  • 執筆者の写真: あいパートナーズ
    あいパートナーズ
  • 8月12日
  • 読了時間: 4分

社員が業務命令に従わない場合、企業としては組織運営に支障をきたすこともあり、場合によっては懲戒処分や解雇を検討せざるを得ません。しかし、解雇という重い処分を下すには、法的な条件を満たす必要があります。


この記事では、業務命令違反に対して会社が解雇できるかどうかの判断基準、就業規則の活用法、そして社労士への相談の重要性について解説します。

業務命令違反

✅業務命令違反は懲戒解雇の理由になり得るのか?


社員には「職務専念義務」と「業務命令への従順義務」があり、正当な業務命令には従う必要があります。これに違反する行為、たとえば正当な理由なく上司の指示を拒否したり、繰り返し業務命令に背いたりする場合は、業務命令違反で懲戒の対象となります。


ただし、解雇を正当と認められるには以下の2点が極めて重要です。


  • 就業規則に明確な規定があること

  • 社会通念上、解雇が相当と認められること(労働契約法第16条の「解雇権濫用の法理」)


これらが欠けている場合、後に解雇が無効とされるリスクがあります。


✅正当な業務命令であることが前提


解雇の有効性を左右するのは、命令が「正当な業務命令」であったかどうかです。たとえば、職務内容に関連しない私的命令や、パワハラ的な内容、不法行為を命じた場合は、命令そのものが無効とされ、違反を理由に解雇することはできません。


また、業務命令の内容や手段、社員の職位・経験・過去の態度などを総合的に見て、違反行為が「著しく企業秩序を乱す」と認められる場合にのみ、解雇が適正とされます。単なる軽微な違反では、解雇は認められにくいでしょう。


✅就業規則の整備が解雇判断のカギ


業務命令違反を理由に懲戒解雇を行うためには、就業規則に「懲戒解雇の対象となる事由」として業務命令違反が明確に記されている必要があります。また、その就業規則が社員に周知されていなければ効力を持ちません。


さらに、懲戒処分を行う場合は「手続きの公正さ」も問われます。懲戒委員会の設置や本人への弁明機会の付与など、会社側が一方的に処分を決定したと見なされないよう、公正な手続きを整備しておくことが重要です。


✅解雇前に取るべき段階的なステップ


いきなり解雇に踏み切るのはリスクが高く、段階的な対応が望ましいとされます。


たとえば、まずは以下のステップを検討しましょう。


  • 口頭・書面による注意指導: 改善を促す最初のステップです。

  • 始末書の提出要求: 反省を促し、事実関係を明確にします。

  • 出勤停止・減給などの軽度懲戒処分: 違反の程度に応じて、解雇以外の懲戒処分を検討します。


これらを経たうえで、改善が見られず、かつ業務に重大な支障が出ている場合にはじめて懲戒解雇が検討されます。これらの対応を記録しておくことで、後の紛争リスクに備えることができます。


✅社労士に相談すべきタイミングとメリット


業務命令違反による解雇を検討する際は、まず社会保険労務士(社労士)に相談するのが賢明です。以下のようなサポートが受けられます。


  • 就業規則の見直し・修正: 法令に準拠した規則への改定を支援します。

  • 懲戒手続きの法的適正性の確認: 不当解雇と判断されないための手続きをアドバイスします。

  • 労働トラブルの予防策の提案: 普段からのリスクマネジメントについて助言します。

  • 労働局や弁護士との連携対応: 万一トラブルに発展した場合の連携をサポートします。


特に、解雇後に労働審判や訴訟に発展した場合、就業規則の不備や手続きミスが致命傷となることもあります。事前に社労士を交えて慎重な対応をとることが非常に重要です。


✅まとめ:就業規則の整備と専門家の協力が企業を守る


社員の業務命令違反が企業秩序を脅かすと感じた場合、会社としては厳正な対応が必要ですが、解雇に踏み切る際は慎重な判断が求められます。


正当な業務命令であるか、就業規則に則った公正な手続きを行っているか、そして社会的に相当な処分かどうかを見極めることがカギです。解雇は最終手段であり、トラブルを未然に防ぐためには就業規則の整備と社労士との連携が不可欠です。正しい知識と準備で、企業リスクを最小限に抑えましょう。


ご自身の会社で業務命令違反に直面した際、具体的な対応に不安を感じることはありませんか?













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