マイカー通勤途上の事故の会社の責任
- あいパートナーズ
- 4月7日
- 読了時間: 3分
マイカー通勤中の事故で会社が責任を負うかは状況次第。通勤目的のみなら基本的に責任なし。ただし、業務使用や会社の指示があれば責任が問われる可能性があります。会社はマイカー業務利用の禁止や黙認防止、指示や奨励の回避などの対策が重要です。

✅マイカー通勤中の事故と会社の責任
マイカー通勤中に事故が発生した場合、会社が責任を負うかどうかは、状況によって異なります。ここでは、通勤中の事故に関する企業の責任について解説します。
✅マイカー通勤のみの場合の会社の責任
従業員がマイカーを通勤目的のみに使用していた場合、基本的に会社が損害賠償責任を負うことはありません。仮に会社が駐車場を提供したり、保険料の負担をしていたとしても、業務使用の事実がなければ責任は生じません。
ただし、会社が従業員に対してマイカー通勤を強要したり、特別な事情がある場合は、会社が「運行供用者責任」を問われる可能性があります。
✅マイカーを業務に使用していた場合の会社の責任
従業員がマイカーを通勤のみならず業務にも使用していた場合、会社が責任を負う可能性が高まります。具体的には、以下の点が重要な判断基準となります。
従業員の職務内容や役割
日常的にマイカーが業務に使用されていたか
事故が通勤中、業務中、私用中のどの時点で発生したか
ガソリン代や保険料の負担、駐車場の提供など会社側の対応
会社がマイカーの業務使用を禁止していたかどうか
会社が禁止していたとしても、黙認や放任があったかどうか
これらの要素を総合的に判断し、会社の責任が問われるかどうかが決まります。
✅判例から見る会社の責任の判断
過去の裁判例では、次のようなケースで判断が分かれています。
会社がマイカー通勤や業務利用を認め、手当が支給されていた場合は「運行供用者責任」が認められた。
逆に、会社がマイカー利用を禁止していたにもかかわらず、従業員が独断で使用し事故を起こした場合は「使用者責任」は否定された。
このように、従業員の行動や会社の対応によって責任の有無が変わるため、会社は注意が必要です。
✅会社が責任を回避するための対策
会社が通勤途上の事故で責任を負わないためには、以下の対応が重要です。
マイカーの業務使用を明確に禁止する
違反行為を放置せず、黙認しない
マイカー通勤の便宜供与は行っても、積極的に指示や奨励はしない
これらの対策を徹底することで、企業は通勤途上の事故による損害賠償責任のリスクを軽減できます。
✅まとめ
マイカー通勤中の事故における会社の責任は、業務使用の有無や会社の対応次第で判断が大きく変わります。会社側はリスク管理を徹底し、適切な対応を取ることが求められます。
労務についてお悩みの方は、弊所へご相談ください。
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