仕事後の懇親会や忘年会、新年会など、職場のイベント中に起きた事故が労災として認定されるかどうかは気になるところです。この記事では、業務終了後の懇親会中の事故について労災認定の判断基準を分かりやすく解説します。

✅労災認定の判断基準
業務遂行性と業務起因性の双方を有するか?
労災認定には大きく2つの要素が関係します。それぞれの具体的な判断基準を見ていきましょう。
✅業務遂行性の有無
業務遂行性とは、事故が事業主の管理下で発生したと認められるかどうかを指します。以下のポイントが重要です
参加が強制されていたか
:懇親会への参加が事実上義務付けられていた場合、業務との関連が強まります。
会社の関与度
:会社が主催し、費用を負担している場合は、業務としての性質が強いとされることがあります。
業務との関連性
:懇親会が仕事の延長線上にある、例えば業務の報告や決定が行われる場だった場合には、業務遂行性が認められる可能性が高くなります。
✅業務起因性の有無
業務起因性とは、事故の原因が業務に関連しているかどうかです。次の観点が基準となります
行動内容
:懇親会中の行為が、業務に直結する行動とみなされるか。
事故の状況
:懇親会中に起きた事故が、業務上の目的や行為に起因するものかどうか。
✅過去の判例から見る労災認定のケース
これまでの判例では、懇親会に関する労災認定に対してさまざまな判断が示されています。
労災と認められたケース
:銀行支店長が主催した決起大会中の事故が労災と認められた事例があります。この場合、イベントが業務の一環として認識されていたため、業務関連性が認められました。
労災と認められなかったケース
:会社主催の忘年会終了後に発生した事故では、参加が任意だったために業務遂行性が否定され、労災とは認められませんでした。
✅労災申請の手続きと注意点
懇親会中の事故で労災申請を行う際には、以下の手続きとポイントに注意しましょう。
申請手続き
:労災申請には所定の手続きが必要です。事故の詳細な状況や証拠をしっかりと準備することが求められます。
専門家への相談
:業務遂行性や業務起因性が判断のカギとなるため、申請前に労働法に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
✅まとめ
懇親会中の事故が労災として認定されるかどうかは、参加の性質や事故の状況次第です。特に、参加が強制的なものだったか、またその場の活動が業務とどの程度関連しているかが重要です。疑問があれば、専門家の意見を参考に、適切な対応を取るようにしましょう。
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