育児・介護休業法の改正が2025年4月1日から段階的に施行されます。働く人々が家庭と仕事を両立しやすい環境を整備するため、さまざまな新たな制度が導入・強化されます。ここでは、育児・介護休業法の改正内容とその背景をご紹介します。
![育児介護法2025年改正](https://static.wixstatic.com/media/907c51_5403814834094c45a8426e4669c30ded~mv2.jpg/v1/fill/w_980,h_560,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_auto/907c51_5403814834094c45a8426e4669c30ded~mv2.jpg)
育児・介護休業法の改正
育児に関する改正ポイント
✅子の看護等休暇の見直し
施行日:2025年4月1日
育児期の負担を軽減するため、子の看護等休暇に以下の変更が加わります。
対象年齢の引き上げ
看護休暇の対象が「小学校就学の始期に達するまで」から「小学校3年生修了まで」に拡大されます。
取得理由の追加
「感染症による学級閉鎖」や「入園・卒園・入学式」が新たに取得理由として認められます。
✅所定外労働の制限(残業免除)の対象拡大
施行日:2025年4月1日
対象者の拡大
残業免除の対象が「3歳未満の子を養育する労働者」から「小学校就学前の子を養育する労働者」へと広がります。これにより、さらに多くの家庭が支援を受けられるようになります。
✅ 育児のためのテレワーク導入の努力義務化
施行日:2025年4月1日
テレワークの選択肢提供
3歳未満の子を養育する労働者が、テレワークを選択できる環境整備が事業主に求められます。
短時間勤務の代替措置
短時間勤務が困難な場合、テレワークを代替措置として提供することが可能です。
✅育児休業取得状況の公表義務の拡大
施行日:2025年4月1日
対象企業の拡大
従来は従業員数1,000人超の企業が対象でしたが、今後は300人超の企業にも公表義務が課されます。
公表内容
男性の「育児休業取得率」または「育児休業と育児目的休暇の取得率」のいずれかを、インターネットなどで公開する必要があります。
✅柔軟な働き方を実現するための措置等の義務化
施行日:2025年10月1日
事業主が選択すべき措置
3歳以上、小学校就学前の子を養育する労働者に対して、以下の措置から2つ以上を提供する必要があります。
始業時刻の変更(フレックスタイム制や時差出勤)
テレワーク(月10日以上の利用)
保育施設の設置運営
新たな休暇の付与(年間10日以上)
短時間勤務制度(1日6時間基準)
個別の周知と意向確認
事業主は、これらの措置について労働者に個別に説明し、意向を確認する義務があります。
✅仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮の義務化
施行日:2025年10月1日
意向聴取の実施
妊娠・出産の申出時や、子が3歳になる前の適切なタイミングで、事業主は労働者に仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取する必要があります。
配慮の義務
聴取した意向に基づき、勤務時間や勤務地、業務量、労働条件の調整を行う義務が課されます。
介護支援に関する改正ポイント
✅介護休暇の除外規定廃止
施行日:2025年4月1日
雇用期間の制限撤廃
雇用期間6か月未満の労働者も介護休暇を取得可能となります。
除外対象
週2日以下勤務の労働者を除き、全ての従業員が平等に休暇を利用できるようになります。
✅テレワーク導入の努力義務化
施行日:2025年4月1日
介護のためのテレワーク選択
要介護状態の家族を持つ労働者がテレワークを選択できる環境整備が求められます。
✅個別の周知と意向確認の義務化
施行日:2025年4月1日
介護休業に関する周知
労働者が介護に直面した際、事業主は制度内容を説明し、意向を確認する必要があります。
周知事項
介護休業制度、申出窓口、給付金の内容などを面談や書面で個別に通知する義務があります。
✅雇用環境整備の義務化
施行日:2025年4月1日
介護離職を防ぐため、事業主には以下の取り組みが求められます。
介護支援に関する研修の実施
相談窓口の設置
制度利用事例の提供
労働者への制度周知
2025年施行の育児・介護休業法の改正は、企業にとって就業規則の見直しや新しい制度の導入など、多くの準備が求められます。これらの対応をスムーズに進めるためには、専門知識と経験が欠かせません。
私たち社労士事務所では、改正内容の詳細な解説から、貴社の状況に合った具体的な運用方法の提案まで、丁寧にサポートいたします。法改正対応や労務管理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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