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退職代行会社への対応 企業が押さえるべき基礎知識

近年、退職代行会社の利用が増加しています。退職を希望するものの、直接会社に意思を伝えることが難しい、または引き留められることを避けたいという労働者が増えていることが背景にあります。


退職代行会社は、依頼者の希望を会社に通知するサービスを提供し、数万円程度の料金設定が一般的です。


ここでは、退職代行会社が介入した場合の対応と留意点について解説します。


退職代行会社への対応

✅退職の意思表示の法的意味

退職の意思表示には大きく「辞職」と「合意解約の申し込み」があります。辞職は労働契約の解約で、一般的には2週間前の予告が必要とされます。一方、合意解約は労働契約を終了するための双方の同意を要する申し込みです。


重要なのは、どちらのケースでも労働者本人の意思でなければならない点です。他者が本人の同意なく意思表示を行った場合、それは無効となります。


✅会社が取るべき具体的な対応

  • 本人の意思確認

    退職代行会社が介入した場合でも、会社は労働者本人の意思を確認する義務があります。退職届が本人の意思によるものかを確かめるために、電話やメールなどで直接連絡を取ることが推奨されます。また、労働者と連絡がつかない場合は、退職代行会社に資料提出を依頼することも有効です。


  • 弁護士法違反のリスク

    退職代行会社が会社との間で交渉を行った場合、それは非弁行為に該当します。非弁行為とは、弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で法律事務を行うことを指し、違反行為は無効とされる可能性があります。会社としては、退職代行会社と交渉を行わないよう注意が必要です。


✅労働者側のメリットと限界

退職代行会社の利用には一定の利便性があるものの、会社から直接の問い合わせがある場合、それを防ぐことはできません。


退職代行会社では法的交渉ができないため、未払い残業代やハラスメント問題などの解決を望む場合は、弁護士に依頼するのが最善です。


✅退職代行サービスの今後の展望

退職代行サービスの利用は増加しているものの、法的問題や対応の限界を考慮すると、これ以上の普及には限界があるかもしれません。


また、弁護士事務所が提供する退職代行サービスもあり、法的トラブルを伴う場合にはこちらが適しているケースが多いでしょう。


✅まとめ

退職代行会社の利用者増加は、労働環境の変化や個々の事情を反映していますが、会社側としては、適切な対応と法律を遵守することが不可欠です。


一方で、労働者は退職に関する目的や状況に応じて、代行サービスと弁護士を使い分ける必要があります。


退職時の対応についてお悩みの方は、ぜひ弊所へご相談ください。

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