中小企業緊急雇用安定助成金

急激な資源価格の高騰や景気の変動などの経済上の理由による企業収益の悪化から、生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に出向をさせた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成します。

景気の変動に伴う経済上の理由とは
 「経済上の理由」とは、景気の変動および産業構造の変化並びに地域経済の衰退、競合する製品・サービス(輸入を含む)の出現、消費者物価、外貨為替その他の価格の変動等の経済事情の変化をさしますので、以下に掲げる理由等による事業活動の停止又は縮小は助成金の支給対象とはなりません。
(1) 例年繰り返される季節的変動によるもの
(2) 事故又は災害により施設又は設備が被害を受けたことによるもの
(3) 法令違反若しくは不法行為又はそれらの疑いによる行政処分又は司法処分によって事業活動の全部又は一部の停止を命じられたことによるもの (事業主が自主的に行うものを含む。 )

事業活動の縮小とは
本助成金の支給を受ける前提となる「事業活動の縮小」とは、以下の要件を満たしている必要があります。
(1) 生産量などの事業活動を示す指標の最近3ヶ月の月平均値が前年度と比較して減少していること又は、最近3ヶ月とその前3ヶ月を比べ減少していること
(2) 前期決算等の経常利益が赤字であること。(ただし、(1)において、生産量が5%以上減少している場合は除かれます。)

支給対象となる休業と教育訓練および出向とは

支給対象となる休業
【要件】
(1) 事業主が自ら指定した対象期間内(1年間)に行われるものであること。
(2) 所定労働日の全一日にわたるもの又は所定労働時間内に当該事業所における対象被保険者等全員(※1)について一斉に1時間以上行われるものであること。
(平成21年2月6日から当面の期間にあっては、当該事業所における対象被保険者等毎に1時間以上行われる休業についても助成の対象となります。)
(3) 休業に係る手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないものであること。
(4) 労使間の協定による休業であること。
※1 「対象被保険者等」とは、休業および教育訓練又は出向を実施する事業所の雇用保険の被保険者又は当該事業所に雇用された期間が6か月以上である方(雇用保険の被保険者でない方で、1週間の所定労働時間が20時間以上の方に限ります。)であって、以下に該当する者を除きます。
@ 解雇を予告されている者
A 日雇労働被保険者
B 休業および教育訓練が行われる判定基礎期間において特定求職者雇用開発助成金、試行雇用奨励金、若年者等正規雇用化特別奨励金、中核人材活用奨励金、沖縄若年者雇用促進奨励金、地域再生中小企業創業助成金、雇用創造先導的創業等奨励金、中小企業基盤人材確保助成金、介護基盤人材確保助成金、介護未経験者確保等助成金、派遣労働者雇用安定化特別奨励金、特例子会社等設立促進助成金の支給の対象となる者
※2 「判定基礎期間」とは、暦月(賃金締切日として毎月一定の期日が設けられている場合は、賃金締切期間)をいいます。休業および教育訓練を実施した場合の中小企業緊急雇用安定助成金の支給申請はこの期間を単位として行います。 

支給要件となる教育訓練
【要件】
(1) 事業主が自ら指定した対象期間内(1年間)に行われるものであること。
(2) 所定労働日の所定労働時間に全1日にわたり行われるものであること。
(3) 就業規則等に基づいて通常行われる教育訓練ではないこと。
(4) 労使間の協定による教育訓練であること。
(5) 教育訓練実施日に支払われた賃金の額が、労働日に通常支払われる賃金の額に0.6を乗じて得た額以上であること。
【訓練の種類】
(1) 事業所内訓練
事業主が自ら事業所内で実施するものであって、生産ライン又は就労の場における通常の生産活動と区別して行われるもの。
(2) 外部研修
公共能力開発施設、学校教育法第1条に規定する大学、同法第124条に規定する専修学校、同法第134条に規定する各種学校等の施設において実施
するもの。
(3) 委託訓練
事業主団体等に委託して実施するもの。(事業主団体等と委託契約を締結し、当該契約に基づいて実施されるものであること。)

支給対象となる出向
【要件】
(1) 事業主が自ら指定した対象期間内(1年間)に開始されるものであること。
(2) 出向期間が3ヶ月以上で1年以内であって出向元に復帰するものであること。
(3) 出向労働者に出向前に支払っていた賃金とおおむね同じ額の賃金を支払うものであること。
(4) 労使間の協定によるものであること。
(5) 出向労働者の同意を得たものであること。
(6) 出向元事業主と出向先事業主との間で締結された契約によるものであること。
(7) 中小企業緊急雇用安定助成金および雇用調整助成金の対象となる出向の終了後6ヶ月以内に当該労働者を再度出向させるものではないこと。
(8) 人事交流のため等雇用調整を目的としないで行われる出向でなく、かつ、出向労働者を交換しあうこととなる出向でないこと。
(9) 資本的、経済的・組織的関連性等からみて、出向助成金の支給において独立性を認めることが適当でないと判断される事業主間で行われる出向ではないこと。
(10) 出向先事業主が、当該出向労働者の出向開始日の前日から起算して6ヶ月前から1年を経過した日までの間に、その雇用する被保険者を事業主都合により離職させた事業主以外の事業主であること。

中小企業緊急安定雇用助成金の支給額
支給を受けることのできる額は、次のとおりです。
(1) 休業および教育訓練の場合
休業手当又は賃金に相当する額として厚生労働大臣の定める方法により算定した額の5分の4。ただし、1人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額が限度となります。
教育訓練を実施した場合は、訓練費として1人1日当たり、6,000円を加算。
(2) 出向の場合
出向元事業主の負担額(出向元事業主の負担額が、出向前の通常賃金の2分の1を超える時は2分の1が限度となります。)の5分の4。ただし、1人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額が限度となります。
(3) 支給限度日数
休業および教育訓練を実施する場合は、対象期間内に実施した休業および教育訓練が、出向を実施する場合は、対象期間内に開始した出向が支給対象となり、上記1又は2の額の支給を受けることができます。
ただし、休業および教育訓練を実施する場合、3年間で300日(最初の1年間は対象被保険者×200日分)が限度となりますので、これを超える休業および教育訓練については支給の対象となりません。

中小企業緊急安定雇用助成金の申請について

(1) 支給の対象となる休業、教育訓練及び出向の実施について、事前に都道府県労働局又はハローワークに届け出る必要があります。
休業及び教育訓練を実施する場合には、「休業等実施計画(変更)届」及び「雇用調整実施事業所の事業活動及び雇用の状況に関する申出書」を、出向を実施する場合には、「出向実施計画(変更)届」及び「雇用調整実施事業所の事業活動及び雇用の状況に関する申出書」を提出し、支給対象となる事業主に該当することの確認を受け、支給の対象となる休業、教育訓練又は出向の内容について届け出ることとなります。
事前の届出の行われなかった休業、教育訓練及び出向については、中小企業緊急雇用安定助成金の支給対象となりません。
(2) 初回の「休業等実施計画(変更)届」又は「出向実施計画(変更)届」については、雇用調整の初日又は出向労働者の出向を開始する日の2週間前を目処に提出する必要があります。
(3) 「雇用調整実施事業所の事業活動及び雇用の状況に関する申出書」は、初回の「休業等実施計画(変更)届」又は「出向実施計画(変更)届」を提出する際にあわせて提出します。
(4) 「休業等実施計画(変更)届」は、判定基礎期間ごとに記載します。提出にあたっては、一つの判定基礎期間又は二もしくは三の連続する判定基礎期間(連続判定基礎期間)ごとに提出することができます。
(5) 「休業等実施計画(変更)届」又は「出向実施計画(変更)届」を提出する際には、届出の内容により休業協定書(写)、教育訓練協定書(写)又は出向協定書(写)を併せて提出する必要があります。また、教育訓練を他の施設に委託して行う場合は、教育訓練委託契約書(写)についても提出する必要があります。
(6) 提出した「休業等実施計画(変更)届」又は「出向実施計画(変更)届」の届出事項に変更を生じた場合には、変更に係る実施日前までに、「休業等実施計画(変更)届」又は「出向実施計画(変更)届」を変更届として提出することが必要です。
 

休業及び教育訓練の場合の申請書類
(1) 所定労働日、所定休日等について明らかにする就業規則等の書類(教育訓練の場合は所定労働日、通常実施している教育訓練に関する事項について明らかにする就業規模等の書類)
(2) 各対象被保険者等の出勤状況及び休業状況が日ごと又は時間ごとに明らかにされた出勤簿等の書類
(3) 労働日に支払われた基本賃金、扶養手当等と休業日に支払われた休業手当とが明確に区分され記載された賃金台帳及び休業手当の額が明らかにされた書類
教育訓練の場合は訓練内容によって申請書類が変わります。
(4) 事業所内訓練の場合
教育訓練の計画内容(教育訓練の科目、内容、期間、対象者氏名、使用する教材及び教育訓練目標)を示す書類並びに必要な知識、技能を有する指導員又は講師により行われたことを示す書類
(5) 外部研修の場合
対象者のレベル、科目、カリキュラム及び期間の分かる書類、各受講者の受講を証明する書類、受講料の支払いを証明できる書類
(6) 委託訓練の場合
教育訓練の科目、職種、期間及び対象者氏名を内容とする委託契約書、当該施設の長が発行する受講証明書

出向の場合の申請書類
(1) 出向労働者の出向開始日前の雇用の状況、出向開始日、期間、出向期間中及び出向終了後の処遇等が明らかとなる出向労働者台帳等の書類
(2) 出向労働者の出向前及び出向後の賃金について、それぞれ基本賃金とその他の諸手当とが明確に区分され記載された賃金台帳
(3) 出向開始日前の所定労働日、所定休日等について明らかにする就業規則等の書類
(4) 出向契約書
(5) 出向の形態が次のいずれかに該当する場合の関係書類

出向元事業所の事業主が出向先事業所の事業主に対して出向労働者の賃金について補助を行う形態の出向の場合
⇒ 出向労働者の賃金についての補助の額が月ごとに明らかになる書類
出向元事業所の事業主が出向労働者に対して賃金を支払う形態の出向の場合
⇒ 出向労働者の賃金について出向先事業所の事業主が出向元事業所の事業主に対して補助する額(当該補助が行われない場合は、出向先事業所の事業主が出向労働者に支払った賃金の額)が月ごとに明らかになる書類

その他
実施計画届、支給申請書提出の際に以下の資料についても整理保管しておく必要があります。
(1) 「事業活動の縮小」を判定する際の基礎資料
(2) 「時間外労働等」に関する資料
(3) 「教育訓練実施内容」に関する資料 等

中小企業緊急雇用安定助成金のよくある質問

Q 申請書類はパソコンで作成可能ですか?
パソコンで申請書類を書くことは可能です。
 
Q 計画書にかかわる2回目以降の提出書類は初回と同じですか?
休業等実施計画(変更)届、休業・教育訓練予定表、休業協定書(写し)、年間休日カレンダー(当該及び前年度)のみです。

Q 中小企業緊急雇用安定助成金の計算方法について教えてください。

前年度1年間の雇用保険料の算定となる賃金総額を、前年度の1年間の平均被保険者数(月ごとの被保険者を足して12で割る)と年間所定労働日数で割り、被保険者1人当たりの1日分の平均賃金を算出します。
その平均賃金額に休業(教育訓練)協定書にある休業手当の支払い率(基本給、その他手当で支払い率が異なる場合は、いずれか低い方)をかけて、1日当たりの基準賃金額を求め、これに助成率(中小企業の場合は5分の4、大企業の場合は3分の2)をかけたもの(小数点以下の端数が生じた場合は切り上げ)と、休業延べ日数をかけたものが支給される助成額となります。ただし、基本手当日額の最高額(7,730円)を超える場合は最高額までとなります。 

Q 教育訓練の内容はどんなものですか?

教育訓練で対象とならない訓練は以下のようなものになります。
(1)法令で義務付けられているもの(労働安全衛生法関係の講習など)通常の訓練
(2)職務の遂行上、必要不可欠な教育訓練
(3)定年退職後の職場や自営のための訓練
(4)現在、将来にわたり、職業資質の向上とは関係ないもの

Q 新規学卒者を採用しましたが対象となりますか?
雇用保険の被保険者が6ヶ月未満の方や被保険者以外の者で6ヶ月以上1年未満で雇用された週20時間以上勤務の方も対象となります。技能実習生は雇用契約なので対象となります。ただし、解雇を予告された人は対象となりません。
 
Q 役員は対象となりますか?
役員であっても雇用保険の被保険者であれば助成金の対象となります。

Q 計画届を届け出た後の変更は可能ですか?
休業日の変更は可能です。ただし、休業を予定していた日を別の日に振り替える場合、休業予定日数が増加する場合・教育訓練予定日・教育訓練場所の変更については、休業等実施計画(変更届)の変更に〇印を付けて、変更となる休業または教育訓練日の前日までに提出することになります。その他、休業予定人数や休業繰延日数などの変更の内容が50%を超える場合も同じです。
 
Q 残業や休日出勤した場合の取り扱いはどのようになりますか?
◎残業の場合
本制度の対象となる休業は、事業活動の縮小に伴い所定労働日に労働できない状態をいうので、休業が行われる一方で残業が行われるというのは一般に考えられないため、原則として休業日数から残業部分を差し引いた(相殺した)日数に係わる手当を助成対象としています。
平成21年3月13日より残業の相殺が行われなくなりました。
◎所定労働日の振り替え
年間カレンダーにおいて、所定労働日を休日とし、その後の休日を所定労働日とし、この日に休業を取った場合は@対象期間内の休日の振り替えであること、A年間所定労働日数・所定休日数の増減がないことの条件が必要となります。該当しない場合は、この日に行われた休業については、助成金の対象となりません。
◎所定労働日の増加
前年と比較して所定労働日が増加している場合については、助成金の対象となる休業日数から所定労働日の増加分を差し引く(相殺する)ことになります。ただし、うるう年などの暦の関係で増加した労働日等は除きます。
◎休日出勤
同一判定基礎期間内に休業とともに休日出勤がある場合は、振替休日を与える措置が取られていない場合、または振替休日を与える措置が取られていても、同一判定基礎期間内に振替休日を与えていない場合は、休日出勤相当分については助成金の対象となる休業等日数から差し引きます。
ただし
@保全業務、月例検査、定期清掃や棚卸等の恒常的なものや休日にしか対応できないもの
A計画届の提出時に予期しえなかった突発的なもの等
Bやむを得ず発生する残業については、休業分休業とともに休日出勤がある場合は、助成金の対象となる休業から差し引かないことがあります。
岩本ミ会保険労務士事務所の連絡先.gif

◆対応地区◆
【愛媛県】
愛南町(南宇和郡)、伊方町(西宇和郡)、今治市、伊予市、内子町(喜多郡)、宇和島市、大洲市、上島町(越智郡)、鬼北町(北宇和郡)、久万高原町(上浮穴郡)、西条市、四国中央市、西予市、東温市、松前町(伊予郡)、松野町(北宇和郡)、松山市、砥部町(伊予郡)
【香川県】
綾川町(綾歌郡)、宇多津町(綾歌郡)、観音寺市、琴平町(仲多度郡)、坂出市、さぬき市、小豆島町(小豆郡)、善通寺市、高松市、多度津町(仲多度郡)、土庄町(小豆郡)、直島町(香川郡)、東かがわ市、丸亀市、まんのう町(仲多度郡)、三木町(木田郡)、三豊市
【高知県】
安芸市、いの町(吾川郡)、馬路村(安芸郡)、大川村(土佐郡)、大月町(幡多郡)、大豊町(長岡郡)、越知町(高岡郡)、香美市、北川村(安芸郡)、黒潮町(幡多郡)、芸西村(安芸郡)、高知市、香南市、佐川町(高岡郡)、四万十市、四万十町(高岡郡)、宿毛市、須崎市、田野町(安芸郡)、津野町(高岡郡)、東洋町(安芸郡)、土佐市、土佐清水市、土佐町(土佐郡)、中土佐町(高岡郡)、奈半利町(安芸郡)、南国市、仁淀川町(吾川郡)、春野町(吾川郡)、日高村(高岡郡)、三原村(幡多郡)、室戸市本山町(長岡郡)、安田町(安芸郡)、梼原町(高岡郡)
【徳島県】
藍住町(板野郡)、阿南市、阿波市、石井町(名西郡)、板野町(板野郡)、海陽町(海部郡)、勝浦町(勝浦郡)、上板町(板野郡)、上勝町(勝浦郡)、神山町(名西郡)、北島町(板野郡)、小松島市、佐那河内村(名東郡)、つるぎ町(美馬郡)、徳島市、那賀町(那賀郡)、鳴門市、東みよし町(三好郡)、松茂町(板野郡)、美波町(海部郡)、美馬市、三好市、牟岐町(海部郡)、吉野川市